文系に所属しながら、進学先に理系を選択することをいわゆる”理転”と言いますが、ほとんどの学生はこの選択肢を取らないため、その情報量は異常に少ない印象です。
仮にネットで検索したとしても、実際に理転をした人の情報ではない場合や、実体験を主観的に日記のように執筆している記事が多いように思います。
そこで今回は、実際に理転をした現役の薬学生である私の経験や、私以外で理転した知人の情報などを整理し、「独学で理転が可能なのか」できる限り客観的な情報をまとめました。記事後半には、理転を成功させるためのアクションプランや、実際に独学で理転をするならオススメの科目も理由付きで紹介しているので、これから理転の勉強を始める方は是非参考になさってみてください。
※この記事を書いている私beeは実際に大学受験で理転をして、薬学部に進学した現役の薬学部生です。理転に関する正確な情報を体験と照らし合わせた上で情報発信をしていますので信憑性はあります。
本記事の内容
- 独学で理転できるかわかる
- 独学で理転する方法がわかる
- 独学できる理系科目がわかる
独学で理転はできる?【結論:ほとんどの場合無理です】
早速結論から述べると独学で理転は無理です。
より詳しい情報を、以下に上げる具体的な項目を見ていきながご説明したいと思います。
- 勉強量とペース配分が難しすぎる
- 意味は理解しても問題が解けない
- 物理・数学Ⅲが鬼門になる
勉強量とペース配分が難しすぎる
理転をする際、殆どの学生さんは「理科・数学」これら理系科目のことを真っ先に思い浮かべることかと思います。しかし、まず初めに現役の高校生に関しては、文系に所属しているからには文系のテストや課題を日々こなさなければいけません。単純に理科や数学を独学で進めるのも大変なのに、+αで文系科目までついてくるため並の学生の2倍くらい勉強することになります。つまり、現役生は時間的に理転を独学で行っている余裕がないということです。
一方で、自由に受験勉強できる浪人生も理転を独学で行うのにはハードルが高すぎます。浪人して理転するリスクは他の記事で詳しくご紹介しているので割愛しますが、高校3年間で時間をかけて学習する科目を、1人でかつ1年で仕上げるのは無謀と言えます。
これら2パターンの理由から、独学で時間をかけてじっくりと理転するのは無理である事がほとんどです。
意味は理解しても問題が解けない
よくある受験勉強の方法として「この参考書何周したらOK」といった学習方法があります。実際に理転を独学で試みる学生の中にも、こうした「参考書周回作戦」で挑む方は少なくありませんが、いざ模試などを受験すると思うように得点できないことがほとんどのケースです。
理由は単純で、理転で独学する科目は参考書に書いてあることを覚えた程度で解ける問題はほとんどありません。特に近年の共通一次などは応用力を問う問題を主軸に構成されているため、単なる暗記では得点できなくなってきています。
こうした問題を解決するには、学校の先生や予備校講師に質問する、あるいは添削付きの通信講座でアウトプットの練習とフィードバックをもらいながら勉強していくのが効率的です。
そのため、独学での理転が無謀であるといえます。
物理・数学Ⅲが鬼門になる
理転で独学する際に独学する科目は、選択する進路によって様々です。
中でも、見出しにもある「物理・数Ⅲ」を選択する必要のある学生は、特に独学は避けたほうが良いと言えます。
これら2科目は、いわゆる「理解系・暗記系」いずれかに振り分けた際に、「理解系」の色の強い科目で独学で躓いた際に解決するのが非常に難しいケースがほとんどです。
また、これらの科目は大問すべてが連動していることが多く、設問の頭から間違うとその後すべて間違うリスクがある科目でもあるため、より深い知識の定着が求められます。
こうしたポイントから、上記2科目に関しては特に独学をオススメしません。
以上3つが理転の独学をオススメしない主な根拠になります。
【2つ】どうしても独学で理転したい人へアドバイス
前章では独学での理転を避けるよう主張しましたが、とはいえこの記事を読んでいる方の中には、経済的な理由や諸事情からどうしても独学で理転をしたいかたもいらっしゃることでしょう。
そこで、あまりオススメはできませんが、理転を独学で成功させるためのポイントを2つ、実際に理転を終えた上での経験を踏まえてご紹介したいと思います。
- アウトプットの機会を他の受験生よりも多く
- YoutubeやChatGPTなどを活用
アウトプットの機会を他の受験生よりも多く
前述した通り、参考書を何周したとしても試験問題が解けなければ意味がありません。この問題を解決する方法は単純で、模試を人よりも大量に受けることで、アウトプットの機会を物理的に増やす方法が1番です。朝から夜までかかる模擬試験は、体力的にも精神的にも体力が削られますが、1回1回集中して受験することで、レベルアップにブーストをかけることができます。(模擬試験は、個人では受験できないため、学校や最寄りの予備校で申し込むことになります。)
また、他のアウトプットの方法としては、Z会などの「添削サービス付き」の通信講座を受講することで、学習した知識の定着を客観的に評価して貰う方法もあります。(独学と言ってよいかはわかりませんが、、、)
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YoutubeやChatGPTなどを活用
感染症の影響で、在宅での学習が当たり前になったことからも、YouTubeなどのメディアには「有料級」の室の高い学習教材が溢れかえっています。これらの教材は、独学の効率を飛躍的にUPさせることは間違いなく、上手に利用できる方はより着実に理転を成功させることができます。
また、近年話題になっているAIツールの1つである、「ChatGPT」は、理転を独学で行っている学生には最強の味方で、ある程度歪曲したような質問でも論理的に回答してくれるため、学校や予備校の先生にチャットで質問しているかのような使い方が可能です。
これらITを駆使して独学をするのも、近年ならではの画期的な方法です。
独学にオススメの科目【生物一択】
大前提として、理転で選択する科目は進路によって左右されることがほとんどです。
以下でご紹介する科目は、「選択肢としてあるのであれば」他の科目を独学するよりもオススメです。
それでは結論になりますが、理転で唯一独学でもできる科目は生物です。もちろん、東大や旧帝大の生物をターゲットに考えるのであれば話は別ですが、共通一次〜中堅国公立レベルの生物であれば独学でもなんとかこなすことができます。
その根拠は詳しく、別の理転の生物選択を特集した記事でも説明していますが、簡単に言うと高校生物は範囲が膨大なことと引き換えに、理解の深さは他の科目よりも求められにくいからです。
具体例でいうと、高校生物で学習する「代謝」ですが、より詳しく掘ろうと思えば糖代謝、脂質代謝、アミノ酸代謝などどこまででも、深く難しくなりますが、高校の生物レベルでは「糖代謝」とその周辺で止まります。
このように、他の科目に比べて「浅く広く」を求められる生物は唯一独学でも学習できる科目です。
医療系などで、理科が複数選択の際は生物を組み込むことをおすすめします。
以上が、理転を独学で行うのはオススメしないといった根拠と対策に関する記事になります。
他にも理転を成功させるためのノウハウをまとめた記事がありますので、興味のある方はそちらもぜひ一度ご覧になってみてください。